ある夜、布団の中でブログを書いていた。
自分でも気づかないうちに、「ブログが書けない・・・。良いものを書きたいと思っているのに、何も浮かんでこない・・・。」
と、布団の中でブツブツ独り言を言っていたらしい。
寝る前の読書をしていた子供が、私の呟きを聞いて話しかけてきた。
「ねえ、お母さんの言ってることと、本に書いてあることがリンクしてて面白いよ(笑)」
そして、私に本を見せてくれた。
私は自分の仕事を神聖なものにしようとしていた。
ねじ曲がろうとする自分の心をひっぱたいて、できるだけ伸び伸びしたまっすぐな明るい世界に出て、そこに自分の芸術の宮殿を築き上げようともがいていた。
それは私にとってどれほど喜ばしい事だったろう。
と同時にどれほど苦しい事だったろう。
私の心の奥底には確かに――すべての人の心の奥底にあるのと同様な――火が燃えてはいたけれども、その火を燻いぶらそうとする塵芥ちりあくたの堆積たいせきはまたひどいものだった。
かきのけてもかきのけても容易に火の燃え立って来ないような瞬間には私はみじめだった。
私は、机の向こうに開かれた窓から、冬が来て雪にうずもれて行く一面の畑を見渡しながら、滞りがちな筆をしかりつけしかりつけ運ばそうとしていた。
寒い。原稿紙の手ざわりは氷のようだった。有島武郎「生れ出づる悩み」より
確かに。
ブログの記事が思うように書けない時って、こんな気持ちかも知れない。
それにしても、ナルシストにも程がある・・・(笑)
と、何だか恥ずかしくなったbookdogでした。
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