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こどもは親の所有物なのか?中学生になったら考えてみたい。〚私の中のあなた〛映画レビュー

白血病の姉のドナーになるべく、遺伝子操作によって生まれた少女アナ。
「家族なんだから当然」という母親のスタンスの下、小さい頃から姉に骨髄提供を続けてきた。
とうとう腎臓移植を求められ、自分の権利を主張し両親を告訴する。
ジョディ・ピコーのベストセラー小説を映画化した作品。

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骨髄移植って簡単に言うけど、大変なんだ。
骨盤に太い針を何度も刺して採取するんだけど、苦痛を伴う処置なので麻酔をかけて手術室でやるんだ。
小さなアナにとっては、大変な処置だったと思うよ。

 

アナ・ケイト・母サラそれぞれの立場から

アナ
アナにとっては最愛の姉への骨髄提供は日常の一部であり、生まれてからずっと何の疑問も持たずに行われてきたこと。
自分が生まれた理由についても理解し受け入れ、姉の回復を願いむしろ喜んで提供している。

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人は生まれついた環境を受け入れるしかない。カズオ・イシグロさんの小説「わたしを離さないで」を思い出して、考えさせられたなぁ・・・
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両親を告訴した後もケイトとアナの仲の良さは変わらず、献身的に看病し続けているのに、なぜアナは姉ケイトへの臓器提供を拒んだのか。
そこには驚くべき真実が隠されていた

ケイト
ケイトは5歳の時に白血病だと診断される。そこから長く苦しい闘病生活を送っていた。
普通の少女らしい生活を奪われたケイトは、同じく白血病を患う美少年と恋をする。
母親じゃなくても微笑ましい二人の姿に、長く生きて人生のすばらしさを味わってほしいと願わずにはいられなかった。
けれど、無情にも少年は亡くなってしまう。
いつまでも快方に向かわない体調、先の見えない過酷な治療、少年との今生の別れ。
遠くにあったはずの「死」が、少年の死によって、思っていたよりも自分の近くに迫っていることを悟り、静かに死を受け入れるケイト。
無意味な腎臓移植により妹を傷つけることを心苦しく思っていた。

母サラ
ケイトの命の灯が消えかけているというのに、母はそれを認めない。決して許さない。
「腎臓の提供をしたくない」と両親を告訴したアナに、母サラは「家族なのに」「あなたが提供しなきゃケイトが死んじゃうけど、本当にそれでいいの?」とアナを責める。
母サラはどこまでも強く、そしてどこまでも醜い。まるで鬼子母神のよう。
ケイトへ以外の子供達への親らしいというか、人間らしい感情が全く見えなかったのが残念だった。

 

家族の愛のカタチ

どんな手段を使ってでも娘を失いたくない母親。安らかに死にたい長女。母親に無視されて育った息子。大好きな姉の役に立ちたい次女。妻には強く言えないが娘の意思を尊重したいと思う父親。
みんなケイトを愛し、彼女のために闘った。
これは家族愛の物語ではなく、ケイトに対するそれぞれの愛の物語という方が正しいかな。
状況設定が重すぎて、監督の伝えたかった部分があまり伝わってこなかった。

 

この映画の3つの倫理的問題

1.遺伝子操作をしてスペアパーツベイビーを作る
2.子供の人権を無視し、親の利益のために苦痛を強いる
3.子供の意思を無視し、親の気の済むまで苦痛を伴う治療を受けさせる

1.は十分実現可能であり、世界のどこかで既に起こっている可能性がある。
映画の中では、医師が両親に「とっておきの秘策」として遺伝子操作を提案しているが、あの医師は医療倫理についてどのように考えていたのか疑問に思う。

2.は完全なる虐待。親は子供を守る義務があると同時に、子供の権利行使を代行する立場にある。問題が生じるのは「親の利益と子供の利益が相反する状態」だ。子供が間違っている場合、親はそれを正すことができるが、親が間違っていたとしたら誰が正すのだろう?

3.については難しい。「どんな手段を使ってでも愛する娘を死なせてなるものか!」と思う気持ちはわからなくもないし、生きる可能性が0でないなら、希望を失っている子供を励まして共に病気に立ち向かいたいと思う。
ただし可能性が0であるなら、本人の希望通りに心穏やかな日々を過ごさせてあげたいという気持ちになるかもしれない。

bookdog
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映画の後半はこれらの倫理的問題に掘り下げられることはなかったけれど、倫理についての良い教材だと思うよ。
中学生以上になったら、この映画を観て家族で話し合ってみたいね。

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原作の方は、映画とはまた違う恐怖のラストシーンを迎えるらしいです。そちらも読んでみたい。

MY SISTER’S KEEPER
2009年 America
directed by Nick Cassavetes / born in 1959
映画俳優・監督である父と女優である母の子供として生まれた。
小さな頃から父親の映画に子役として出演していたが、俳優としての芽は出なかったそう。
「きみに読む物語」の監督としてもおなじみ。監督からのメッセージ↓↓↓

本質というのは、人が死んでも、結局は何も起こらないということ。人間というのは、大切な人を亡くしても、次の日朝起きて洋服を着て仕事をして、という日常が続いていくということなんです。それよりも、亡くなった人の本質が自分に影響を与えている、ということの方が大切なんだと思います。(2009年Web DICEインタビューより)
Web DICEインタビュー

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Netflixが好きなBOOKDOGです。 主に「ルポールのドラァグレース関連記事」「ブログ作成のお役立ち記事」をゆるりとUPしています。 関係ないことも時々呟きます。