シャシはインドの伝統菓子「ラドゥ」作りが得意な、料理上手なインドの主婦。
作る人によって、スパイスやナッツやココナッツ、ドライフルーツなんかを入れてアレンジするんだって。
甘そ~!!!
日本の昔のお母さんみたいな良妻賢母である。
夫と二人の子供と暮らすシャシは、英語が話せないことで家族に引け目を感じている。
娘は英語が話せない母親を恥ずかしがり、夫は「料理を作るしか能がない女だ」と見下している。
自尊心を傷つけられ、自分を嫌いになりかけていたシャシに試練が降りかかった。
― 姪の結婚式の準備のため、独りでNYに行く―
英語を話せないためにお店で恥をかいて泣いたりしながらも、一念発起して4週間で英語が習得できるという英会話教室へと通い始める。
英会話教室の生徒は、英語がほとんど話せない様々な国出身の個性派ぞろいばかり。
その上先生はゲイ!
変わっていくシャシ
新しい世界との出会い。
1人の自立した女性として扱ってくれる素敵な仲間や、後押ししてくれる姪との関わりの中で、シャシは自信と誇りを取り戻していく。
シャシの人間的魅力はニューヨークで開花したのではなく、彼女がもともと持っていたもの。
後半に向け、シャシが本来の彼女の輝きを取り戻していく姿に胸を打たれた。
家族は当たり前すぎてその輝きに気づいていなかったのだ。
結婚式でのスピーチのシャシの言葉。
結婚は素晴らしいもの。
それは最も特別な友情。
なぜなら対等な者同士の友情だから。
今後家族が改心できるかどうかは置いといて、人前で堂々と英語でスピーチできるようになったシャシの姿に感動した。
自分を大切にすることは、自分だけができる事。
そして、それは自分自身が一番うまくできるはず。
こちらには共感。
美女と濃い顔のおじさん(位置づけはイケメン)が恋をして踊り狂うインド映画とはかなり違う。
インドでの女性蔑視や、英語の位置づけなどがよくわかり興味深かった。
主役のシュリデヴィさんについて
インドの伝説的女優だそうで、1997年に結婚をしてから一線を退いていたそう。
この作品が15年ぶりの復帰作となったとのことです。
素敵な女性だと調べてみたら、2018年に亡くなられていました。
ドバイのホテルの浴槽で水死したそうです。
ご冥福をお祈りいたします(合掌)
English Vinglish
2012年 India
directed by Gauri Shinde / born in 1974
インドの女性監督。この映画が長編初作品とのこと。監督のメッセージ↓↓↓
人間関係において、自分が尊敬に値する行動をすればそう見てもらえるし、逆に自分が「私は誰かに従う人間だ」と思うと、そういうふうにとられてしまう。人間のあり方を描いている作品よ。(2014年TVLIFEインタビューより)
TV LIFE web インタビュー