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小学生におすすめ!心を育てる児童書〚Wonder〛レビュー

2015年発表
NYタイムズ・ベストセラー第一位
2016読書感想文・課題図書

作者:R.J.パラシオ
1963年生まれ N.Y.出身

この本の内容

オーガストは「特別な顔」を持って生まれた、ごく普通の10才の男の子。
彼は重い障害を抱えながらも、家族の温かい愛情に包まれて幸せに育った。
10歳になるまで自宅学習を続けてきたオーガストは、葛藤と恐怖を乗り越えて一般の学校へ通い始める。
向けられる好奇の目。オーガストを排除しようとする者に同調するクラスの空気。
しかし、オーガストの人間としての魅力に触れて、クラスの空気が少しずつ変わっていく。

これは、オーガストとオーガストを取り巻く全ての人にとっての成長の物語である。

 

R.J.パラシオさんはニューヨークに住むグラフィックデザーナーで2児の母。
驚くべきことに、世界を感動に包んだこの作品は彼女のデビュー作なのである。

この作品は彼女が経験したエピソードがきっかけとなって生まれた。
【二人の幼い子供を連れてアイスクリーム屋さんを訪れた作者は、そこで骨格障害のある少女に出会う。下の子が少女を怖がって泣き出した為、とっさにベビーカーを少女から遠ざけようとしてベビーカーが上の子にぶつかり、その弾みで上の子が持っていたシェイクをひっくり返すという散々な状況に陥ってしまう。その様子を見ていた少女とその母親は、穏やかにその場を立ち去った】

パラシオさんは、少女を傷つけまいとした自分の行動が彼女とその母親を傷つけたのではないか。母親として自分の子供たちに正しい行動を示してやれなかったが、あの時どう行動することが正解だったのか。という事を考え続け、この物語が誕生した。

オーガストを取り巻く6人それぞれのストーリー

 

この本は8章構成となっており、6人の目線から一連の出来事について描かれている。




オーガスト
オーガストの姉:ヴィア
オーガストのクラスメイト:サマー
オーガストの親友:ジャック
ヴィアのボーイフレンド:ジャスティン
ヴィアの友達:ミランダ

みんなそれぞれが人生の主役

 

それぞれがオーガストに対する綺麗ごとだけじゃない感情を抱えている。

例えばジャックは、オーガストの外見に不気味さを感じているが、先生の手前嫌々友達になる。オーガストの人柄に惹かれて友情を深めていくその一方で、からかわれるとその場の空気に流されてオーガストを傷つけるような行動を取ってしまう。

ヴィアは、弟を愛している。それと同時にオーガストの存在を恥ずかしいと思う気持ちも持っており罪悪感を抱いている。弟にかかりきりでこちらを向いてくれない両親。どんなに寂しくても、辛いことがあっても、「弟より恵まれて生まれてきたのだから」「弟の辛さとは比較にならないのだから」とずっと我慢をしてきた。

誰もが異質なものに対する恐怖、自分が好奇の目にさらされることへの恐怖、自分より恵まれた者への嫉妬・・・・様々な感情に苦しみ、傷つき、葛藤している。
それと同時に、他者への慈愛の心や良心も持ち合わせている。
それらは、形は違えどオーガストが周囲に抱いている感情と同じではないか。
外見の違い、人種の違い、年齢・性別の違いに関わらず、人間の本質は変わらないのだ。
「Wonder」がただのいじめを乗り越えた少年の話に留まらないのは、そういう人間の本質を突いているからなのだと思う。
だからこそ、この物語は読む者の心を揺さぶる。

人をいたわれ。みんなも闘ってる。相手を知りたかったら、やることは1つ。よく見ること

オーガストとの出会いをきっかけにして、みんなの考えは変わっていく。
誰かの支えとなったり、支えられたりしながら、みんなで奇跡を起こしたのだ。

オーガストは普通の男の子。
彼が神から与えられたのは「特別な顔」でなく、「特別な人間などいないことをみんなに気づかせる力」だったのかもしれない。

彼の見た目は変わらない。変えられるのは、我々の見る目

みんながそれに気づいた時、奇跡は起こる。まさに「Wonder」だ。

きっと奇跡は私たちのすぐそばにある。たくさんの人がこの本を読めば、もっと世界は平和になるだろう。

私とこの本との出会い

 

いつものように、子供と図書館をブラついていた時の事。
児童書のコーナーに、鮮やかな水色に装丁された本が目に入った。
当時小学5年生の子供は、「あっ!」っと言って駆け寄り、「この本すごいんだよ!絶対読んでみて!!」と勧めてくれたのだ。
子供の言う通りとても心に響く本で、私は号泣しながら一気読みしてしまった。

ー子供が小学6年生の時、1人の男の子がクラスのほぼ全員からいじめられる事件が起こった。
きっと大半が「いけないこと」だとわかっていながらも、多数派に従ってしまったのだろう。子供の世界ではよくあることだ。
しかし、我が子はいじめには加担せず「サマー」のように自然な態度でその子と接し続けたのだ。
そのことが原因で、友達に仲間外れにされたにも関わらず。

正しいことをするか、親切なことをするか、どちらか選ぶときには、親切を選べ

その時のクラスはオーガストの時のように、「いじめに加担すること」=「正しいこと」という空気になっていたに違いない。
でも、我が子は「親切な方」を選んだ。
自分の子供がこの本を「素晴らしい」と思える心を持って育ってくれたこと、本を通してどんどん視野を広げていってくれていることを嬉しく思うのと同時に、その時の空気に流されず「親切な方」を選べた我が子を心から誇りに思う。

※bookdogがオススメする人生を変える関連本①↓↓↓
いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼馴染のクリストファー、クラスの女の子シャーロットの視点から書かれた物語。ジュリアンの物語は必見。倫理にかなうかどうかは別として、人間はその人なりの「正義」のもとに行動を起こしているということが良くわかる作品。

 

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